競馬の最強世代を様々な面から考察

競馬ファンなら誰しも考えたことがあるであろう最強世代
今回はその最強世代について様々な視点から考察していく。
グレード制が導入されたクラシック84世代から考えています。

 

まずはシンプルに世代の合計GI勝利数ランキングから
※地方GI、Jpn1は除いています
※世代戦はその世代内で強いだけであり、最強世代を考察する上では不適切かと思ったので除いています

 

4位 14世代 18勝
4位が同率2世代いるので4位から
まずはモーリスを代表とする14世代
この世代、4位と中々強いがどこか影か薄いのは日本の中長距離で活躍する馬が中々いなかったのが原因か
27勝中6勝を海外で挙げており、日本の中長距離GIを勝ったのがモーリス、マリアライトショウナンパンドラゴールドアクターだけ。
この4頭のGI初挑戦はモーリスが4歳安田、マリアライトが4歳エリ女ショウナンパンドラ秋華賞ゴールドアクター菊花賞と皆比較的遅めだった事もあり、同世代として強かったという印象が薄まっているのかと思われる。

 

4位 19世代 18勝
同率4位にグランアレグリア、ラヴズオンリーユー、クロノジェネシスら擁する19世代グランアレグリアが短距離マイルを中心にGI6勝、ラヴズオンリーユーが海外を中心にGI4勝、クロノジェネシスがグランプリを中心にGI4勝とそれぞれ異なる部門で活躍したほか、今年の高松宮記念をこの世代のファストフォースが制し4位に食い込んだ。

 

3位 11世代 19勝
この世代の主役はなんと言っても三冠馬オルフェーヴルだろう。また短距離路線を席巻した龍王ロードカナロアもGIを6勝しており、この2頭だけでGI12勝を荒稼ぎしている

しかしこのように抜きん出て強い馬が存在する際よく生じるのが強い馬に阻まれてGI勝てない現象。
実際オルフェーヴル以外で中長距離の古馬GIを勝利した馬は存在せず、ロードカナロア以外で短距離GIを勝利したのはロードカナロア引退後の14年スプリンターズSを制したスノードラゴンだけ...
しかし空いたマイルGIはきちんと持って行っており、リアルインパクトが史上唯一の3歳安田記念制覇、マイルCSをこの世代の異なる3頭で3連覇と地力の高さが伺える。

 

2位 12世代 22勝
2位は3位11世代の1個下、12世代
この世代、特に目を引くのが同世代の連覇数。ジェンティルドンナがJCを連覇、ゴールドシップ宝塚記念を連覇したほか、春天フェノーメノゴールドシップで3連覇、VMヴィルシーナストレイトガール4連覇するなど長きに渡って強さを見せつけた

 

1位 18世代 28勝
2位に6勝差と大差をつけ1位になったのは18世代
アーモンドアイが日本最多のGI9勝を挙げながらもラッキーライラック牝馬路線や大阪杯を、フィエールマンが長距離路線を制覇するなど活躍した

 

ということで最強世代は18世代!!!!!!

 


と言いたい所だが、改めてランキングを見てみると少し気になる所がある。
1位の18世代はアーモンドアイがGI9勝、2位の12世代はジェンティルドンナ7勝ゴールドシップ6勝、3位の11世代はオルフェーヴルロードカナロア6勝ずつ12勝、4位19世代は牝馬三冠衆で14勝、14世代はモーリスが6勝と、世代の代表馬が荒稼ぎしているだけにも見えるのだ
それはその馬が強いのであって世代が強い訳ではないのではなかろうか?

 

ということで次は世代別GI馬の数ランキングを発表していく

 

2位 06世代 GI馬11頭
同率2位が5世代いるのでいきなり2位から。(多すぎ)
この世代の代表馬は世代最多のGI4勝を挙げたメイショウサムソン、07年の年度代表馬アドマイヤムーン辺りになるだろうか。
また7,8歳で史上初の高松宮記念連覇を成し遂げたキンシャサノキセキなどがいる。

 

2位 07世代 GI馬11頭
牝馬ながらダービーを制したウオッカ率いる07世代が4位にランクイン
この世代は世代の象徴であるダービーを牝馬に取られた事から分かる通り牝馬の世代で、4歳までで古馬GIを8勝しているがその内牡馬はJCを勝ったスクリーンヒーローのみ。
しかしながらこの世代の中長距離を代表する1頭であったダイワスカーレットが引退した2009年、2歳王者ドリームジャーニーが春秋グランプリ制覇したり、朝日FSでドリームジャーニーの2着だったローレルゲレイロが春秋スプリントを制覇したりと牡馬の意地を見せた

 

2位 10世代 11頭
この世代の代表馬は史上3頭目牝馬三冠馬にしてGIを5勝したアパパネや日本馬初のドバイワールドカップを制覇し震災直後の日本に勇気を与えたヴィクトワールピサ辺りだろうか
代表馬がGI5勝(内世代戦4勝)とGI3勝と他と比べると少し見劣りするが、ローズキングダムエイシンフラッシュなど役者揃いの世代だったと思う。この世代の馬が6頭出走し、最も豪華な有馬記念と言われる(私が言ってるだけ)11年有馬記念は実況で出る名前だけで興奮すること間違いなし
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GI勝利数から見る最も豪華な有馬記念 - 暇人日記 (hateblo.jp)

 

2位 11世代 11頭
合計勝利数ランキングで3位の11世代がここで2位
よく「三冠馬が出た世代は弱い」なんて言われるが、この世代の弥生賞馬で皐月賞2着のサダムパテックは12年マイルCSを、きさらぎ賞馬で菊花賞3着のトーセンラーは13年マイルCSを、スプリングSオルフェーヴルの2着でダービー3着のベルシャザールは13年ジャパンCダートを勝利するなどクラシックで活躍した馬がきちんとGIを勝利しており世代の強さを証明している。

 

2位 20世代 11頭
遂に最後の2位は三冠馬コントレイルを産んだ20世代
この世代日本の牡馬混合芝GIを制したのがコントレイル、レイパパレ、ポタジェ、ヴェラアズールの4頭だけであり、4頭のGI初挑戦がコントレイルはホープフルS、レイパパレは4歳大阪杯、ポタジェが4歳秋天、ヴェラアズールが5歳JCと先程のオルフェーヴルとは打って変わってクラシックで好走しその後活躍した馬が少ない物の、フェブラリーSを連覇したカフェファラオや稀代の逃げ馬パンサラッサ、現役最強ダート馬へと成り上がりつつあるウシュバテソーロなどダート面で活躍する馬が多い。
この世代の馬はまだまだ6歳であり、今後どこかでGIを勝利しこのランキングから抜け出す可能性もあるだろう

 

1位 18世代 16頭
結局先程の1位18世代がまた1位。

ランキング連覇達成でやっぱり18世代がナンバーワン!!

 

 

 

と言いたい所だが、本当に本当にそうなのだろうか?
思えばこのランキング、理論上GI1勝馬が大量にいた方が有利になる。
しかしそんな世代が本当に最強なのだろうか?
競馬にはラキ珍なる言葉がある(個人的にGI馬にラッキーなんてないと思っているが...)
そんなラキ珍を除いた、GIを複数勝利した馬が沢山いる世代こそ真の最強世代なのではなかろうか。

ということで最後に、世代別GI複数勝利馬頭数ランキングを発表する

 

5位 90世代 4頭
90世代がまさかのランクイン。
内訳は春天を連覇した顕彰馬メジロマックイーン、宝塚9番人気、有馬15番人気の下馬評を覆し春秋グランプリを制覇したメジロパーマー、華麗な逃げでマイルCSを連覇したダイタクヘリオス、末脚一気で短距離路線を席巻した華麗なる一族のお嬢様ダイイチルビー
書いてて思ったがやはり古馬GI2勝馬ともなると皆キャラが濃い

 

5位 07世代 4頭
世代別GI馬数ランキング2位の07世代が同率5位
内訳は牝馬ながらダービーを制したウオッカ中央競馬史上2位の12戦全連対を成し遂げたダイワスカーレット、春秋グランプリ制覇のドリームジャーニー、春秋スプリント制覇のローレルゲレイロ
この4頭、ウオッカ阪神JF勝利、ダイワスカーレット桜花賞勝利、ドリームジャーニーは朝日FS勝利、ローレルゲレイロは朝日FS2着と若くから活躍し始め、4歳で引退したダイワスカーレットを除く3頭皆5歳でGIを勝利するなら長きに渡って活躍している。
勝利馬がその後あまり活躍できず、その存在意義を問われる事もある2歳戦だが、皆このように活躍した例は稀かもしれない。(ついでに言うとこの世代の全日本2歳優駿を制したフリオーソも交流GIを6勝するなど活躍)

 

5位 14世代 4頭
世代合計GI勝利数4位の14世代が同率5位
内訳はアジアのマイル王モーリス、イスパーン賞を10馬身差で勝利したエイシンヒカリ宝塚記念ドゥラメンテを下したマリアライトスプリンターズSを連覇したレッドファルクス
改めて見ても豪華メンバーだ。クラシックと中長距離の活躍馬が出ていれば...

 

5位 17世代 4頭
5位最後は17世代
内訳は春秋グランプリを制覇した遅咲きの大輪リスグラシュー、GI昇格後2回目の大阪杯とJCを制したスワーヴリチャード、芝ダート2つのGIを制した二刀流モズアスコット、香港でGIを2勝したウインブライト
正直書くことない

 

4位 04世代 5頭
ようやく来た4位は04世代
内訳は日本馬として唯一ディープインパクトを下したハーツクライダイワスカーレットの半兄にして喘鳴症を制しGIを5勝したダメジャーダイワメジャー、強烈な末脚でGIを3勝したわがまま魔女スイープトウショウマイルCS香港マイルを制し海外で種牡馬として活躍したハットトリック、8歳にしてウオッカを下して初めてGIを制し、14度目のGI挑戦で初の1番人気に輝き優秀の美を飾ったカンパニー
ハーツクライダイワメジャーは勿論、この世代のダービー馬キングカメハメハなど種牡馬としても凄まじい成績を残している

 

3位 98世代 6頭
3位にはよく最強世代と言われる98世代がランクイン
内訳はダービー馬で春秋天皇賞制覇、JCを勝った日本総大将スペシャルウィーク凱旋門賞2着馬でJCとサンクルー大賞を勝ったエルコンドルパサー、グランプリを3連覇したグラスワンダー、春秋マイル制覇のエアジハード、春秋ダート制覇のウイングアロー、海外の直線GIを2勝したアグネスワールド
改めてとてつもない豪華メンツである。
これに世代戦も含めると二冠馬セイウンスカイに二冠牝馬ファレノプシスも加わりなんと8頭
ネットでは98世代信者の98世代推しが強すぎて煙たがる事もあるような気がするが、確かにこんな物を見せられちゃ信者になる気持ちもよく分かる。

 

3位 12世代 6頭
合計GI勝利数2位の12世代が同率3位
内訳は牝馬三冠馬にしてJCを連覇したジェンティルドンナ、二冠馬にして宝塚記念を連覇したゴールドシップ、日本馬初のレーティング世界1位に輝いたジャスタウェイ春天を連覇したフェノーメノVMを連覇したヴィルシーナ、6.7歳でVMを連覇した遅れてきたシンデレラストーリーストレイトガール
この世代の特筆すべき点は似たような路線に固まりつつも古馬GIを2勝以上した馬が多かった所だろうか。
中距離はジェンティルドンナゴールドシップジャスタウェイ
長距離はゴールドシップフェノーメノ
マイルはジャスタウェイヴィルシーナストレイトガールと適性の近い馬が多かったが上手く分け合い6頭もの古馬GI複数勝利馬を生んだ

 

1位 18世代 7頭
1位は結局18世代
内訳は牝馬三冠馬にしてJRA最多GI9勝を成し遂げた九冠馬アーモンドアイ、クラシックではアーモンドアイにボコボコにされるもアーモンドアイとは別路線に進みエリ女連覇、大阪杯を制覇するなど活躍した2歳女王ラッキーライラック天皇賞・春を連覇したフィエールマン、春秋マイル制覇のインディチャンプ、日本馬史上2頭目にして父ロードカナロアと共に香港スプリント親子制覇のダノンスマッシュ、香港の舞台でGIを2勝したグローリーヴェイズ、クロノジェネシスの半姉にしてVMをレコード勝ちしたノームコア
上から下まで全てが1級品でありもう最強世代としてケチの付けようがないだろう。

 

ということでGI勝利数、GI馬頭数、複数GI勝利馬頭数全てで18世代が1位となった。
またダート路線には3歳でチャンピオンズカップを制したルヴァンスレーヴや前人未到東京大賞典4連覇を成し遂げたオメガパフューム、マイルCS南部杯を連覇したアルクトスがおり、世界に目を向けても史上2頭目の無敗米国三冠馬ジャスティファイ、獲得賞金世界一位の香港馬ゴールデンシックスティなど国を代表する様な馬が出ている

 

 

やっぱり18世代がナンバーワン!!!!!